焙煎の見れる坂戸の本格珈琲 クマロマ店長のyujiです!
今回はコーヒー好きなら一度は飲んで見たい!? 幻の珍品ともいわれる
「コピ・ルアック」 についてご紹介いたします!
幻のコーヒー「コピ・ルアック」とは
以前ブログでご紹介させていただきましたが、つい先日クマロマでも美味しいコピ・ルアックを入荷することができましたので、この機会にもう少し掘り下げてご案内していきます。
コピ・ルアックに引けを取らないほどの希少なコーヒー豆たちも登場いたしますのでお楽しみに!
コピ・ルアックは別名うんちコーヒーとも呼ばれるその理由は
コーヒー愛好家であれば一度は耳にしたことがある「コピ・ルアック」
「コピ」はインドネシア語でコーヒー、「ルアック」は現地のマレージャコウネコを指します。
日本の喫茶店では一杯8000円で提供しているところもある超高級銘柄です。
そんなコピ・ルアック、どれほどの贅を尽くした環境で育てられたコーヒー豆かと思いきや、実はコーヒー豆自体には特段価格に見合ったコストがかかっているわけではありません。
では一体なにがそこまでコピ・ルアックの価値を高めているかというと、
コピ・ルアックとはインドネシアのジャコウネコという動物が食べたコーヒーチェリーから採れた未消化の豆、
つまり排泄物として出てきた「うんちコーヒー」なのです!!
ジャコウネコは完熟したコーヒーチェリーを餌として食べ、一般に「コーヒー豆」といわれる種子を未消化の状態で排泄します。
排泄されたコーヒー豆は「パーチメント」という殻に覆われた状態で排泄されることと、万が一雑菌がついたとしても焙煎によって死滅するので衛生上は特に問題ありません。
収穫後綺麗に洗浄され天日干しされた豆が「コピ・ルアック」として世界中のコーヒー好きに愛飲されています。
その特殊な精製方法から一部では「うんちコーヒー」と揶揄されますが、クマロマののぼりは振り切ってます!
映画にも登場するコピ・ルアック
そんなコピ・ルアックは「ジャコウネコの排泄物から集めた世界一高価なコーヒー」として1995年にイグノーベル栄養学賞を受賞しています。
また、その希少性と知名度からたびたび映画にも登場するほどです。
最高の人生の見つけ方
まずはこちら。
俳優ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンがW主演を務める心温まる映画です。
この物語では、病気のため死期が迫った老人が二人一部屋で一緒となります。
一方は自身が入院した病院その他を経営する医療法人の経営者。もう一方は黒人の修理工。
お互い今まで歩んできた道や経済的・社会的立場は異なりますが、自身の置かれている運命を同じくして意気投合します。
二人は自分が死ぬまでにやっておきたいことを綴ったリスト(the bucket list)をつくり、それぞれの余生に一片の悔いのないように世界中を周りリストの項目にチャレンジしていく。
旅の最後に喧嘩別れをしてしまいますが、互いをリスペクトする気持ちは変わらず最後まで相手を思いやり、人生の幕を閉じます。
金持ちで、会社をいくつも持ち、金稼ぎに忙しく、いつも悪態ばかりのエドワード(ジャック・ニコルソン)。
家族のために自身の夢を捨て、真面目に車の整備工として働きつづけた誠実なカーター(モーガン・フリードマン)。
真逆の人生を歩んできた二人が同じ病にかかり、同じ病室で出会い、時を同じくして余命宣告を受けてしまうのです。
カーターの品行方正で実直な人柄と教養の広さ、エドワードは強烈な自尊心を持ちながらも、カーターの徳の深さを目の当たりにし社会的地位の劣るひとりの黒人修理工を対等な人間として尊重していきます。
全く異なる人生を送ってきた二人。リストに書き記す内容にもそれが投影されています。
エドワードは「ライオンを狩る」や「世界一の美女とキスをする」といった、まさに金持ちの実業家らしいもの。
一方カーターは「赤の他人に親切にする」「死ぬほど笑う」など、こんなところでもいい人オーラ全開です。
世界中を飛び回り、自分たちのやりたかったことにチャレンジしている様子は笑いに溢れ、とても余命半年の男たちには見えません。
それぞれが自身の人生の中で大切にしてきたもの、諦めなければならなかったもの、死を目前に迎えた男性二人の人生の喜びと悲しみの尊さが丁寧に描写されています。
物語終盤、悲しいことにカーターが先立ってしまいます。
人生の最期に一人取り残されてしまうエドワード。そんな彼にカーターは告げるのです。
エドワードが日頃愛飲していた「コピ・ルアック」
金持ちだけが楽しむ最高級コーヒーだと思っていたのに
「それは猫の糞でつくられているんだぜ」と衝撃の事実!
思いもよらぬかたちで、死ぬまでにしたいことの一つであった「死ぬほど笑う」事がここで実現できたのでした。
かもめ食堂
コピ・ルアックは邦画でも登場しています。
こちらの映画は北欧フィンランドで、レストラン「かもめ食堂」を開店した女性と、そこに集まる人々の心の交流が描かれた心温まる映画です。
それぞれの登場人物がおそらく悩みを抱えているはずなのに、だれも土足で踏み込んだりせずに、かといって冷たくあしらうわけでもない、絶妙な距離感で物語が進行していきます。
映画の中で「コピ・ルアック」はコーヒーを美味しく淹れる魔法の言葉として用いれられます。
物語終盤では、店主がコピ・ルアックを手に入れることができ、食堂に集う人たちとその貴重な味を楽しみながら語り合うシーンがあります。
まるでコピ・ルアックが魔法をかけたかのように、するすると食堂の人たちの心が開かれてゆき、温かな時間を紡いでゆきます。
作中に出てくる美味しそうなおにぎりやシナモンロール、夏のフィンランドの透明感にも思わずため息が出てきます。
どちらの映画もコピ・ルアックが物語のアクセントとして重要なシーンで使われています。
それほどまでに人々に強い印象を与えられる存在といえるのでしょう。
コピ・ルアックはどのようにして生まれた?
インドネシアにコーヒーノキはありませんでした。
その昔、インドネシアを植民地支配していたオランダが持ち込んだものです。
オランダ人がインドネシアに農園を作り、そこでインドネシア人たちを奴隷として働かせ栽培していたのが始まりと言われています。
インドネシアの人たちは、自分たちをこき使って採れたコーヒーを美味しそうに飲むオランダ人たちをみて、自分たちもなんとかして飲んでみたいと思うようになりました。
当然奴隷たちにそのような自由が認められていたわけもなかったため、インドネシアの民は苦肉の策として
ジャコウネコのフンからコーヒー豆を取り出して、密かに飲むことにしたのです!
それがそのうち水面下で評判となり、コピ・ルアックが誕生したそうです。
コピ・ルアックは実際どんな味なのか?
最初に飲む人をためらわせるコピ・ルアック。
私は何の抵抗もなく飲んでしまいましたが笑、さて一体どんな味がするのでしょう?
コピ・ルアックはインドネシアのスマトラ島、ジャワ島、バリ島、スラウェシ島でつくられています。
また、インドネシア以外のフィリピンや南インドでも似たコーヒーがつくられており、フィリピン産のものは「アラミド・コーヒー」と呼ばれています(現地では「カペ・アラミド」と呼称)。
これらはジャコウネコが野生のものか、飼育されているものかによっても味わいに変化をもたらします。
野生のジャコウネコは完熟した美味しいコーヒーチェリーにのみを選んで食べますが周辺の農園を行き来しているため、お腹の中に貯められたチェリーは天然のブレンドものということになります。
つまりテイストが安定していないことが前提なのです。
一方で飼育されているジャコウネコは、生産者の方が餌を与えてつくられているので(生産者がどの程度きっちりと管理しているかによりますが)味わいはこちらの方が安定しているといえるでしょう。
コピ・ルアックやカペ・アラミドに共通することは、ジャコウネコの腸内の消化酵素や腸内細菌の働きでコーヒー豆に独特の香味が加わるということです。
また、フンに付着している菌による発酵が寄与している部分も大きいといわれています。
通常のコーヒー豆ではなかなか味わえない、ブランデーのような深い味わいを特徴としています。
さらにコピ・ルアックやカペ・アラミドは、腸内発酵によりカフェイン含有量が通常のコーヒーのおよそ半分にまで減ることが確認されています。
ジャコウネコの肛門付近から出る分泌液は霊猫香(れいびょうこう)といい、さまざまな香水の調香において珍重されています。
霊猫香は主要な動物性香料の一つで、シベットとも言います。
香料として使用する場合には、エタノールに溶解させて不純物をろ過、チンクチャーとして用います。
このままでは強い糞尿臭を放ちますが、薄めることで途端に心地よい香りとなります。
有名なところではシャネルの5番にも使用されており、香水の香りを持続させたり花の香りを際立たせる効果があるそうです。
一説では、かのクレオパトラも霊猫香(れいびょうこう)を愛用し、体に塗っていたそうです。
ちゃんと薄めて使っていたのでしょうか?笑
「そこら辺のネコでもつくれるのでは…?」と一度は誰もが考えることですが、ちゃんと成るようにして成っているんですね!
コピ・ルアック以外の幻のコーヒーもご紹介!!
世界には希少で、なかなか手に入らないコーヒーがいくつかあります。
今回はコピ・ルアックについて触れましたので、同じ「うんちコーヒー」の中からご紹介いたします。
実はうんちコーヒーはコピ・ルアクだけではないのです!
ブラックアイボリー 【タイ】
スリランカではいたるところで象を目にすることができ、その象の排泄物のフンを使って紙を作り出しています。
フンを煮出して繊維だけを残し、象が食べるバナナの繊維に古紙などを混ぜて作られます。
象が食べるものは繊維質の多いものが多いため、紙を作るにはうってつけの原料なのです。
色彩も豊かで、ゴミや排泄物から生産される紙として注目を集めているそうですよ。
所変わってタイでは、象のフンからコーヒー豆を作り出しています!
ブラックアイボリーとは、「象のフンから採取されたコーヒー豆」です。
コーヒーに含まれるタンパク質が、象の消化酵素によって分解されコーヒーの苦味が緩和されたまろやかなコーヒーとなるのが特徴です。
象が食べたバナナやサトウキビとともに、15〜30時間をかけてゆっくりと消化される際に独特のフレーバーが付くといわれています。
排泄された実は象使いが選別して洗浄、天日干しされます。
33kgのコーヒーチェリーを食べさせて得られるコーヒー豆は1kgほどしかないため、まさに超高級銘柄と言えるでしょう。
ブラックアイボリーはタイ北部の象の保護センターで製造されていますが、生産効率の低さと、象の飼育にかかる費用が莫大なことからコーヒー豆自体の価格も跳ね上がってしまうそうです。
ブラックアイボリーを作ることを思いついたのはブレイク・ディンキンという人です。
彼は当初キリンやライオンなど候補にしていたそうですが、東南アジアでは雨季になると象がコーヒーチェリーを食べるということを知り決めたそうです。
初期の段階ではとても人の飲めるものではなく、完成までには9年もの年月を要しました。
ブラックアイボリーの事業は、労働力のなくなった象の飼育費用を捻出するという側面もあります。
研究に研究を重ねて2015年には、ようやく一定量のコーヒー豆を生産できるようになったそうです。
滑らかな口当たりと芳醇な香りを特徴とし、その生産方法と味の良さはコーヒー通の注目を集め、世界中の富裕層の間で人気があります。
過去に日本では、高島屋大阪店で開催されたイベントで提供されたこともあるそうですが、現在は直接購入する手立てはないようです。
もしタイのバンコクにある高級ホテルに行くことがでいれば、淹れたてのブラックアイボリーを味わうことができるそうです。
ジャクーコーヒー 【ブラジル】
象の次は鳥です!
ジャクーはホウカンチョウ科の鳥でキジの仲間にあたります。
熱帯雨林などの温暖な地域に生息しており、主に植物を食べますが動物を捕食することもあります。
採取されたコーヒー豆のパーチメントとシルバースキンを取り除いて洗浄することで「ジャクーコーヒー」が出来上がります。
ジャクーコーヒーはコピ・ルアックのように独特の芳香を特徴としますが、味わい自体は大変スッキリしています。
その一番の理由がコーヒー豆を排出する時間です。
ジャクーは、コーヒーチェリーを食べたあと一時間ほどで排出します。
この短時間の排出がコーヒー豆の過度な発酵を防ぎ、芳醇な香りを持ちつつ大変クリーンなカップにしているのです。
ジャクーは鶏ほどの大きさなので、一回の排出量も数十グラムほど。
さらにその中から得られるコーヒー豆はほんの数グラムほどといわれています。
タヌキコーヒー 【ベトナム】
ベトナムではタヌキのフンからコーヒー豆を収穫する「タヌキコーヒー」があります。
起源として、こんな逸話が残っているそうです。
では古くから完熟したコーヒーチェリーからつくられるコーヒー豆が上質とされ、生産者は収穫期が近づくと豆が完熟するのを心待ちにしていました。
しかしある夜、森に住むタヌキが大切なコーヒーチェリーをすべて食べ尽くしてしまったそうです。
途方に尽くす生産者、しかもちょうどその時大切なお客さんが。
そこで主人は仕方なく、タヌキのフンに紛れていたコーヒー豆をきれいに洗って焙煎し、お客さんに振る舞ったそうです。
それを飲んだ客は「こんなに美味しいコーヒーは飲んだことがない!」とたいそう喜ばれたそうな。 おしまい
タヌキがコーヒーノキによじ登って食べ尽くしたことにも驚きですが、大切なお客様にうんちコーヒーを出してしまうご主人もどうなんでしょうか?笑
ウチュニャリ
体長50cmほどのハナグマのフンから採れるペルーの「ウチュニャリ」
モンキーコーヒー
アフリカでは猿のフンから、台湾の猿はコーヒーチェリーを食べた後吐き出すそうで、そこから採取しつくられています。
起源はジャコウネココーヒー!
もう収集がつかなくなっていますね!
これらのコーヒーはコピ・ルアックが高値で取引されていることを知った生産者が我も続けと始めたことですが、ちゃんと需要があるのもコーヒーの凄い所です。
クマロマの「コピ・ルアック」
当店でも最近コピ・ルアックを入荷することができました!
しかも今回のコピ・ルアックは野生のジャコウネコのフンから採取された特別なものです。
コピ・ルアックはそのあまりの人気ぶりに、ジャコウネコを狭いゲージの中に閉じ込め無理やりコーヒーチェリーを食べさせてつくり出すひどい生産者の存在が問題になっているという実情があります。
天然のコピ・ルアックは、生産者の方が森を歩き回りって採取するものなので途方も無い時間と労力を要すためです。
野生のジャコウネコから採れるコピ・ルアックは前述したように、農園内を行き来しているジャコウネコが食べたコーヒーチェリーなので、お腹の中に溜まっているものはまさに天然のブレンドということになります。
そのため味わいは単一的ではなく、トップからアフターまでさまざまなフレーバーが顔を出すので終始驚きを与えてくれます。
この味わいはやはり特殊な発酵を経ているからこそ出せる味わいなのかな、と感じました。
完熟した良質なコーヒー豆のみを好んで食べるため、カップ自体もとても澄んでいて美味しいです!
から天然のコピ・ルアックのためにご来店くださるお客様もいらっしゃる人気銘柄なので、この機会にぜひ「幻のコーヒー」ご堪能されてみてはいかがでしょうか!?
焙煎処 KUMAROMA
埼玉県坂戸市薬師町22ー6
第1石田ビル1F
10:00〜19:00
火曜日、第2・4水曜日 定休