ガイアの夜明けでも特集されたゲイシャの歴史と軌跡。「ゲイシャ・フレーバー」がお勧め!

焙煎の見れる店 クマロマ店長のyujiです!

 

 

今回は世界中のコーヒーファンから注目を浴び続ける「ゲイシャ」についてご紹介していきます!

 

 

 

クマロマでも遠方からお買い求めくださる方の多いゲイシャ。
最近ではメディアで取り上げられたこともあり、さらに人気に拍車がかかっているそうです。
なぜゲイシャはそれほどまで人々の目を惹きつけるのでしょうか?
今回はゲイシャが注目されるきっかけとなったお話を含め少し掘り下げてご案内していきます!

 

 

 

 

ゲイシャが注目されたキッカケ

「ゲイシャ」はコーヒーの品種のひとつです。

 

 

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日本人ならば誰もが一瞬「芸者」さんを思い浮かべるのではないでしょうか?

 

 

ご来店くださるお客様も、日本にゆかりのあるコーヒーと思われている方がとても多いです。

 

 

 

実のところは日本とは全く関係なく、エチオピアの地名が由来しています。
ゲイシャはエチオピア西南部発祥のコーヒー豆です。

 

 

 

その周辺「ゲシャ村」で発見され、そこからなまってゲイシャと呼ばれるようになりました。
発見されたのが1930年代、その後ケニアやタンザニアを経てコスタリカに渡り、1963年にそれを入手した中米パナマのドンパチ農園、フランシスコ・セラシン氏が自分の農園に植え近所の人々にも苗木を配ってあげたそうです(パナマ政府が各農園に配布したという説もあります)。

 

 

ゲイシャはエチオピア発祥とのこと。

 

同じアフリカの優良生産国を渡り、パナマ中の農家に渡ったのですから、ここから伝統的にゲイシャが栽培されることになったということでしょうか?

 

 

 

 

 

 

消え去ったゲイシャ種

 

 

 

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実はゲイシャは当初さび病(コーヒー栽培において1番の課題となる樹の感染病)の耐性品種としての認識しかなく、パナマに持ち込まれたのもさび病対策のためだったそうです。

 

 

しかし、生産性という点ではゲイシャの選択は最悪で、幸い大規模なさび病が蔓延することもなかったため収穫性の高いカツーラ種やカツアイ種へ植え替えられるようになりました。

 

 

当時はともかく、現在ではゲイシャはか弱く生産性が極端に低いことで知られています。
一瞬パナマ国内で広まったように思われたゲイシャは、徐々に各農園で見放され魅力のない品種として認識されるようになりました。
コーヒー栽培の歴史は、コーヒー豆の品質より生産性に傾注されてきた経緯があります。

 

 

先ほど書いた「さび病」はコーヒー生産者が最も恐れている死の病です。

 

 

 

世界各国の生産者が頭を悩ませてきたさび病被害。

 

 

その中でも壊滅的打撃をうけた事例として、スリランカが特に有名です。

 

 

 

 

 

19世紀後半、コーヒー栽培において他の生産国に遅れをとっていたインドとスリランカ。
地道な努力を重ねやっと生産が軌道に乗ってきたときに大規模なさび病が発生してしまいます。
この病にかかると、その名の通り葉の裏側に「赤さび」のような斑点が発生し、結果葉を枯らしてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葉が枯れてしまうと樹は光合成を行えず、やがて樹全体をダメにしてしまうため商業栽培に壊滅的な打撃を与えます。

 

 

また、この病の本当に厄介なところが空気感染するということです。
「さび病」はカビによる伝染病です。

 

このカビの仲間は「サビキン類」と呼ばれ、さまざまな植物にさび病を引き起こす種類が知られていますが、基本的に特定の植物に発病することが多く、コーヒーさび病菌もコーヒー以外では発病しません。

 

 

「赤さび」の正体はこの菌の胞子(夏胞子)で、風に乗って長距離に飛散することが可能です。
トゲトゲしていて引っ掛かりがあるため、葉の裏側の気孔から侵入して細胞の中に潜伏感染します。

 

 

最初の段階では特段変化は現れず、見た目で見分けることはできないのです。

 

潜伏したまま栄養を奪い続け、樹が衰え出したとみると空中に菌糸を伸ばして先端に大量の胞子をつけます。

 

 

その後樹はなす術なく完全に枯れてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

さび病によってインドは大打撃を受け、スリランカに至ってはコーヒー産業から撤退することとなってしまいました。
幸いスリランカはその後紅茶の一大産地として名を馳せるようになりましたが、さび病が発症地さらにはその周辺国をも震え上がらせる大病であることは今でも変わりません。

 

 

 

 

 

 

ゲイシャ復活の軌跡

一躍世界中の脚光をあびることとなった「シンデレラストーリー」

 

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一度は生産者から見放されたゲイシャ種。

 

 

さび病もそうですが、ゲイシャ種をはじめとする飲用に重宝されている大元の種「アラビカ種」は基本的に霜害などにも弱くとても繊細です。

 

 

スリランカの件を見てわかる通り、コーヒーの生産者が生産効率に傾注するのも仕方がないことだったといえるでしょう。
そんな中、ゲイシャ種に大きな光が注がれる機会が訪れます。
2004年に行われたパナマのカッピングコンテスト「ベスト・オブ・パナマ」に出品されたゲイシャ種が堂々の1位を獲得、それまでの史上最高価格を塗り替える1ポンドあたり21ドル、なんと通常の取引価格の20倍以上の価格で落札されたのです!
これはコーヒー業界に大きな衝撃を与えました。この快挙をきっかけにゲイシャ種は一気に高級品種の仲間入りを果たし、世界中の農園がこぞってゲイシャ種の商業栽培に乗り出しました。
品評会に出品した農園はパナマのエスメラルダ農園。今では世界最高峰の農園として名高いこの農園ですが、当時はまだ無名でゲイシャ種も忘れ去られたかのように畑の作業しづらい急斜面の一角に植えられていました。
ところがこのポツンと取り残されていたゲイシャ種をパナマの品評会に出してみたら….
これが有名なゲイシャのシンデレラストーリーです。

 

 

 

もしこれが急斜面の一角ではなければ、他の区画同様生産性の高い品種に植え替えられていたのではないかといわれています。

 

 

そのような場所で、限られた数しかない生産性の低いゲイシャが無事収穫できたことなど、いくつもの偶然が重なって起きたことなどもこの逸話が世界中に広がることにつながったといわれています。
また当時のパナマのコーヒーは、高品質ではあるものの個性のしっかり感じ取れるフレーバーを持ったものが少なく、凡庸な味わいのイメージがついていたことなども、この件の衝撃を増幅させた要因だといわれています。

 

 

 

その後の品評会(ベスト・オブ・パナマ)ではエスメラスダ・ゲイシャ一強の時代が続き、2007年には1キロあたり約3万円で取引され世界最高落札価格を記録!

 

 

 

あまりにも高額で取引されることから、2008年からはエスメラルダ・ゲイシャのみのオークションが開かれるという特別扱いとなりました。
ある種の神格化といっていいほどの脚光と生産効率の低さが、ゲイシャ・ブランドの加熱を増長しているようにも思えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲイシャだけが持っているもの

 

 

 

 

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世界中のコーヒーファンを虜にするゲイシャ。
話題性が先行し、実は大したことのないものと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ゲイシャのみが有する豊かな芳香は確かにあります。
いわゆる「ゲイシャ・フレーバー」と呼ばれるもので、上質なゲイシャは中煎りから浅煎りにかけてレモンやオレンジのフレーバーと、紅茶のような軽やかな口当たりを特徴としています。

 

 

 

実はゲイシャの香り成分はほとんど研究されていないため、成分組成がまだあまりわかっていません。

 

 

ただゲイシャフレーバーが焙煎による熱に弱く香りが飛びやすいこと、香り成分の変動性とそもそもの成分組成が不安定な点から、モノテルペン類という化合物グループに属するのではないかと言われています。
ゲイシャは二大原品種であるティピカやブルボンとは異なるルートで伝わった、エチオピア野生種由来の品種です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エピオピア野生種には多様な遺伝的性質をもったものが数多く存在するので、ゲイシャの香りの成分組成に違いが見られても不思議ではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

クマロマのゲイシャとは?

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当店でご案内しているゲイシャは、ゲイシャ種発祥の地エチオピアゲシャ村で収穫されたものです。
この地に惚れ込み、ゲシャ村で自分たちの理想とするコーヒーを作ることを決意したアダム氏とレイチェル夫人。

 

 

 

アメリカ生まれのアダムとレイチェル夫妻は農園探しを始めますが、最初の大きな課題は現地メアニット族との共生への話し合いです。
Shaya氏とOma氏を族長とするメアニット族は何世紀もこの地の守護者として、その偉大な大地を守っており、彼らの理解・協力が最重要課題でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夫妻は、二人の族長に環境保全・促進に基づく農園づくりを時間をかけて説明し、自然・人・コーヒーの共存・共生の理解・承認を得て水源からの給排水整備をはじめ、現在の自然体系を崩さない様に土壌植物の分析を行い、新たに3万本のシェードツリーの植樹等を行なっています。

 

 

農園から約20kmに位置するゲイシャ種の原生林ゴリゲシャの森は、森というよりジャングルそのもので、猛獣対策の警備員付きでまさに探検そのものでした。遥か遠くそびえるジャングルを歩き続け、遭難の危機にも瀕し、たどり着いたのはジャスミンの香りが広がるゲイシャ種の原生地。

 

 

そこには様々なゲイシャ種が実をつけていました。

 

 

 

 

 

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夫妻はそのうち様々な品種から選別した6種を試験的に栽培し、試行錯誤の末3種類に絞りました。
正真正銘ゼロからのスタートを切った夫妻の「ゲシャビレッジ農園」。
様々な障害を乗り越えて6年目の2017年には1200袋を超える生産量となり、世界各地のバリスタ大会などでもその品質が認められています。

 

 

 

 

 

 

唯一無二のフレーバーを有するゲイシャですが、持続的な生産を続ける農家は多くありません。

 

 

 

その理由は、掛け合わせのハイブリッド品種はおろか、伝統品種と比較しても著しく生産量が低いだけではなく、原生種である所以でもあるのですが、チェリーの色づきがバラバラで、真紅やボルドーだけでなくピンクや赤茶など木々によって違いがあり、収穫時のピッカーに高い精度を求められるためでもあります。

 

 

 

 

 

 

また病虫害に対する耐病性等も未知数な部分が多く、リスクが非常に高い品種ともいえます。

 

 

 

エチオピアの西の果てに鬱蒼と茂ったベンチ・マジ地区のジャングル。

 

 

この息を呑むような美しい大自然の中で、ゲシャ・ビレッジ・コーヒー農園は約471㌶の敷地でコーヒーを育んでいます。

 

 

 

 

 

都市部から遥か遠く離れたこの地で、長年の夢であったコーヒー農園を2011年から開拓し、農園からほど近いゲイシャ種発祥の地であるゴリ・ゲシャの森から世界最高峰品質のゲイシャ種を厳選し栽培しています。

 

 

数年渡る努力の結果、この素晴らしい自然環境に引けを取らないポテンシャルのコーヒー豆を生産できるまでに至りました。

 

 

 

 

農園ではゴリ・ゲシャ種だけでなく、他の地場品種も栽培しています。

 

 

先住民メアニットの人々と協力し、自然環境への配慮や雇用機会など相互理解に努めています。

 

 

 

ゲシャ・ビレッジ農園は栽培から精製・乾燥まで全てのプロセスに妥協せず、従業員や消費者に対するリスペクトも忘れません。

 

 

 

エチオピア最高の品質であると同時に最も環境に配慮した農園であり続けるよう日々努力しています。
彼らがゲイシャ種を作り続ける1番の理由は、誇り高きメアニット族が何世紀にもわたって守りつづけてきたゲイシャ種発祥の地で、彼らと連携し・共生し、世界最高峰の品質を生産することで、エピオピアの素晴らしさを世界に広めたいからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

アダム氏とレイチェル夫人はたゆまぬ努力を持って、コーヒー豆の品質と地域住民の生活水準の向上を実現するために一つ一つの工程に細心の注意を払いながら全力で取り組んでいるのです。

 

 

 

 

【最終的に選び抜かれた3品種】

 

 

 

 

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オリジナル・ゲシャ

 

農園から20kmほど離れたゴリ・ゲシャの森から採取された品種です。

 

歴史調査及び遺伝子調査を基にパナマ・ゲイシャ種の自生区域を特定し、二品種を厳選採用したもの。

 

 

ゴリ・ゲシャ Gori Gesha 2011 (GC)

 

ゴリ・ゲシャの森の遺伝子多様性を反映する品種。

 

 

・Gesha 1931 (G31)

 

樹の形態や生豆のサイズや外観及びカップ品質がパナマ・ゲイシャに最も類似した品種。
トップはハイビスカスを思わせる赤い花の香り。アフターテイストにジャスミンやレモンのフレーバーが至福のひとときをもたらせてくれます。
最近はよくメディアにもとりあげられ、さらに人気が過熱しているゲイシャ種。

 

その源流である「ゲシャ・ゲイシャ」、オープン当初からクマロマの人気銘柄です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この機会にぜひ「ゲイシャフレーバー」、ご堪能してみてください!

 

 

 

焙煎処 KUMAROMA
埼玉県坂戸市薬師町22ー6
第1石田ビル1F
11:00〜18:00
火曜日 定休

 

 

 

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