焙煎処 KUMAROMA(クマロマ) 店長のyujiです!
今日は「動物の糞から採れるコーヒー豆」をご紹介します。
糞から取れるシリーズとして実はいくつかあるのですが、代表的なのはインドネシアのジャコウネコの糞から採れた「コピ・ルアク」というコーヒー豆です。
「コピ」はコーヒー、「ルアク」はジャコウネコを意味する現地語です。
未知なる味の探求のためにとうとうその領域に手を出してしまったか!
と思ってしまいそうですが、コピ・ルアクの歴史は意外に深く当時から知る人ぞ知る珍品として重宝されていました。
19世紀後半のフランスの文献でも紹介されており高値で取引されていたのですが、1995年にイグノーベル賞を受賞したり、映画に取り上げられたりして一躍有名になったそうです。
ただの勿体無い精神から生まれたコーヒーではなく、その希少性と香味から世界的にとても人気のコーヒー豆なのです!
コーヒーチェリーを食するジャコウネコの糞から未消化のコーヒ豆を取り出すもので、一応安定した生産が可能なのでこれも立派な精製法の一つといえます。
コーヒー豆の精製において、果実をどのようにして除去するかが大きなテーマで、これによりコーヒー豆の香味が大きく変わります。
ジャコウネコの糞に紛れているコーヒー豆は、パーチメントという殻に守られているということと、万が一雑菌がついていても焙煎によって滅菌されるので衛生的には問題ありません。
一匹のジャコウネコから採れるコーヒ豆は3グラムほどとも言われ、日本の喫茶店では一杯8000円で出しているお店もあるそうです!
気になるコピ・ルアクの味は
コピ・ルアクにも天然ものと、飼育されているものから採れるものとでさらに希少性は変わってきます。
両者で香味にどのような違いがあるかというと、
コピ・ルアクは完熟した本当に美味しいコーヒーチェリーのみを好んで食べるので、天然ものは当然お腹の中から出てくる豆も高品質のものだけということです。
一般的に流通しているコーヒー豆との違いは、コピ・ルアクはジャコウネコの腸内の消化酵素の働きによってアミノ酸が分解されコーヒー豆に独特な風味を加えるといわれています。
私自身コピ・ルアクは何回か飲んだことがあります。
旅行みやげでもらったものから、日本に輸入された100グラム1万円もするものまでありましたが、共通していたのはブランデーのような芳醇で色気のあるフレーバーがとても印象的でした。
一度飲んだら忘れられない、野趣あふれる味わいでした。
コピ・ルアクはどのようにして生まれた?
もともとインドネシアにコーヒーノキはありませんでした。
その昔、インドネシアを植民地支配していたオランダが持ち込んだものです。
オランダ人がインドネシアに農園を作り、そこでインドネシア人たちを奴隷として働かせ栽培していたのが始まりと言われています。
インドネシアの人たちは、自分たちをこき使って採れたコーヒーを美味しそうに飲むオランダ人たちをみて、自分たちもなんとかして飲んでみたいと思うようになりました。
当然奴隷たちにそのような自由が認められていたわけもなかったため、インドネシアの民は苦肉の策として
ジャコウネコの糞からコーヒー豆を取り出して、密かに飲むことにしたのです!
それがそのうち水面下で評判となり、コピ・ルアクが誕生したそうです。
ジャコウネコ以外の動物から採れるコーヒー
冒頭触れたコピ・ルアク以外の動物から採れるコーヒーとして、
サルの糞から集める「モンキーコーヒー」(インド)
ジャクーという鳥の糞から集める「ジャクーコーヒー」(ブラジル)
ゾウにコーヒーの果実を与えてつくる「ブラックアイボリー」(タイ)
など様々です!
コピ・ルアクがあまりにも高値で取引されることから、我も続けと色々なコーヒーが誕生しているようです。
ちょうどこのブログを書いているときに、代表が
「コピ・ルアクを入れられたら面白いな」
と言っていたので、もしかしたらクマロマでもご案内できる日が来るかもしれません…!
そのときはまたこちらのブログでご案内させていただいますので、よろしくお願いいたします!!