こんばんは。
焙煎処 KUMAROMA 店長のみつおかです。
みなさんは「酸化したコーヒー」をご存知ですか。
コーヒー豆が酸化することを知っている時点で凄いことですが、もしかしたらそれは酸化ではないかもしれませんよ!
そこで今回はコーヒーの酸化などについてご紹介させていただきます!
【焙煎豆の劣化】
新鮮なうちは美味しかったコーヒーも、時間が経つにつれて粉が膨らまなくなり、風味もどんどん劣化します。
一般にこの状態のことを「酸化」してまずくなるといいますが、焙煎豆の劣化は大きく分けて3つあり、厳密にいうと酸化はそのうちのひとつにすぎません。
それではコーヒーの劣化にはどういったものがあるのでしょうか?
1 ステイリング…焙煎時に生じたクロロゲン酸ラクトンやキナ酸ラクトンといった成分は吸湿などにより加水分解されてしまう為、クロロゲン酸やキナ酸に戻り、ph(酸性〜アルカリ性の程度を表す単位)が低下して酸っぱくなります。
水分が多いときのみ生じる反応ですが、保温ポットに入ったコーヒーなら数十分、焙煎豆が吸湿したときにも1〜2日で違いがわかるくらいに劣化します。
2 香りと炭酸ガスの損失…焙煎した直後から、コーヒー豆からは炭酸ガスと香り成分が抜けていきます。揮発性の高い香り成分ほど抜けが早く、繊細なフレーバーを特徴とするコーヒー豆ほど凡庸になりがちです。
3 酸敗…油脂分を構成する脂肪酸が空気酸化を受けると不飽和度の高い脂肪酸になり、そこから更に酸化が進むと油の痛んだ嫌な臭いとphの低下をもたらします。
これがよく耳にする酸化による劣化ですが進行は意外に遅く、違いがわかるまでに変化するには7〜8週間ほどかかるといわれています。
このように、コーヒーの酸化とは3つある劣化のうちの1つで、進行にも時間のかかるもののようですね。
むしろ他の2つの方がコーヒー豆の保存にとって重要かもしれません。
よくコーヒー豆の保存法について聞かれるのですが、いつもどうお答えするか迷ってしまいます。
あまりこだわって管理がめんどくさくなるのもイヤですよね。
ポイントをいくつかまとめると、
①必ず密閉容器に入れること。ビニール製のものは密閉できるものであっても使用しないこと。(豆がビニールのにおいを吸ってしまう為)
料理などのにおいの移ったタッパもNGです。
②ハンドドリップで泡のもこもこを楽しみたい方は冷凍保存を。ただし温度差による結露でのステイリングの可能性あり。(夏場はとくに注意)
③可能であれば豆のまま保存する。粉の場合は劣化が何倍も早くなる。(香りと炭酸ガスの損失)
といったところでしょうか。
もちろん新鮮な豆をお買い求めくださいね!
焼いてから日が経ったコーヒー豆を上記のように保存してもだめです!
今回は劣化がもたらすコーヒー豆への影響とその対処法などをご紹介致しましたが、いかがでしたでしょうか。
いろいろ書かせていただきましたが、私個人としてはご自身のライフスタイルに合わせて楽しんでいただければ十分だと思います!
「この前飲んだときと違う感じがするかも?」と思ったときにご参考いただければ幸いです!